感染症の専門化提言、人との接触を8割減らす10のポイント

世界各地で拡大している新型コロナウイルス感染症。日本でも、緊急事態宣言が4月7日に7都府県を対象に出され、その後4月16日には対象地域が全国に拡大されました。

感染拡大防止には、手洗いなどの基本的な対策に加え、外出自粛や3密を避けた行動、ソーシャルディスタンシング、そして人との接触を8割減らすことが重要ということで呼びかけられていますが、未だ改善の余地があるようです。



4月23日に行われた政府の専門家会議による会見で提言されていた『人との接触を8割減らす10のポイント』をご紹介すると同時に、内容を掘り下げてみました。個人的な見解も含まれています点は予めご了承ください。

目次

1.ビデオ通話でオンライン帰省

ゴールデンウィークを控え、本来であれば帰省をして家族や友人に会う予定だったという方も多いと思います。しかし、今移動をすることは全国各地への感染を更に拡大させる恐れがあります。大事な家族や友人を感染のリスクに晒さないためにも、今は帰省や旅行はもちろん、移動を控えてください。

現在はLINEやZoomといった便利なアプリがあり、実際に会えなくても顔を見ながら話すことができます。ご高齢でオンラインでの利用が難しい場合は、電話で声を聞くだけでもお互いに安心できると思います。大事な人のために今できることは、自分が感染しないように、そしてうつさないように最大限注意すること。

収束してから元気な姿で会うために、今は会わずにお互いをやさしい言葉で気遣い、支え合いましょう。

2.スーパーは1人または少人数ですいている時間に

不要不急の外出はせずとも、生活必需品の購入のために出かけるスーパーなどのお店。ここが、多くの人が集まる密集場所になっている場合があります。 人が多く集まれば集まるほど、感染のリスクが高まります。 生活するためには誰もが食べ物や日用品を買う必要があります。 だからこそ、その大事な場所が感染場所にならないよう、1人または少人数で行くようにしましょう。

また、レジなどで並ぶ際にも人との距離をあけるようにしましょう。通常であれば、オープンしてすぐや、閉店間際が比較的すいていると言われていますが、今は出掛けた際に人が多ければ出直す、車内で待機するなど臨機応変に対応することが必要なようです。今後、入店制限などの対策がなされる可能性も高いと思います。

3.ジョギングは少人数で、公園はすいた時間、場所を選ぶ

外出自粛の中でも、屋外での散歩やジョギングなどは良いとされています。しかし、携帯電話端末の位置情報を活用したデータによると、公園など平時よりも利用の増加が認められている場所もあるようです。屋外は本来ハイリスクの場所ではないものの、多くの人が集まり人と人との距離が十分に保たれない状況下では、感染の危険性は高まります。

海外の研究によると、運動時の飛沫は一般に言われている約2mの距離では全く十分ではないとの指摘もあります。健康維持のための屋外での運動は、人が少ない場所でのみ実施するよう注意を払いましょう。子どもたちにおいては、すいている公園がない場合は、自宅でトランポリンや風船バレー、テーブルでできる卓球などで体を動かし、トランプやUNOなどのアナログゲームなど家で楽しめる遊びで工夫する必要があるようです。

4.待てる買い物は通販で

今すぐに必要なもの以外は、電話やインターネットを使って購入をするよう推奨されています。今は食料品も日用品も通販で簡単に購入可能です。少し余裕を持ってネットで購入すれば、外出する機会を減らせます。宅配業者の方々の負担が増えすぎるのは困るので、今買う必要のないものは買うこと自体を延期するのが良いと思います。

5.飲み会はオンラインで

不要不急の外出自粛の今、ZoomやLINEを使ってのオンライン飲み会というものが流行っているようです。自宅で好きなお酒やおつまみを用意し、パソコンやタブレット、スマホでのビデオチャットを通して会話する飲み会です。

出かける準備もしなくて良いですし、出費も少なく済みます。場所を問わず、話したかった人たちと全員の顔を見ながら飲み会ができるなど、メリットもたくさんあるようです。

6.診療は遠隔診療、定期受診は間隔を調整

遠隔診療(オンライン診療)については、適切な実施のために様々な検討がなされているようです。詳しくは下記をご参照ください。

詳細 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/

7.筋トレやヨガは自宅で動画を活用

今はジムなどの利用ができないため、なかなか運動ができないと思っている方もいらっしゃると思います。担当のインストラクターの方が動画で配信されているものもあるかもしれません。

そうでない場合、YouTubeなどで筋トレやヨガなどの無料の動画が配信されているのでそちらを活用しましょう。器具がない場合は自重トレーニングをするのも良いかもしれません。自主的にトレーニングをするのは難しいかもしれませんが、健康維持のために適度に体を動かしましょう。

8.飲食は持ち帰り、宅配も

飲食業界などは特に、これまでにない大打撃を受けています。大変な状況に陥っている飲食店がたくさんある中、支援するためにも可能な限り利用したいと思われている方も多くいらっしゃると思います。店内での飲食は、人と人との接触を避けられない可能性が高く今は避けるべきですが、テイクアウトや宅配を始めるお店が増えてきています。

Uber Eatsなどは有名ですが、国土交通省の許可を受ければタクシーでの貨物配送が可能になる特例措置が始まり、タクシー使ったデリバリーが全国各地で検討または開始されているようです。

9.仕事は在宅勤務、通勤は医療・インフラ・物流など社会機能維持のために

全国でテレワーク化が叫ばれていますが、実態はどうなのでしょうか。テレワークが可能な業種でも、調整が大変で導入していないという企業もあるようです。社会機能維持のために、感染のリスクがある中でも出勤せざるを得ない方々がいらっしゃいます。その方々のおかげで私たちは生活を維持することができています。

だからこそ、それ以外の業務において原則は自宅でのテレワークをさらに推進していく必要があると思います。また、製造業などテレワークが不可能な業種の場合は、ローテンションを組んで出勤者の数を最低7割減らし、出勤するときは時差出勤、社内でも人と人との距離を十分にとるなどの基本的な対策の徹底が求められています。長期化する可能性があるため、体制をさらに整えていく必要があるようです。

10.会話はマスクをつけて

近距離で人と会話するなどの環境では、咳やくしゃみなどの症状がなくても感染を拡大させるリスクが指摘されています。また、アメリカでも急激な感染拡大の要因に無症状の人からのウイルスの広がりがあるとして、マスクは不要としていた従来の見解を変更し、現在はマスクの着用を勧めています。

予防の効果は別として、人にうつさないためには一定の効果がある可能性があります。ただし、マスクをしているから大丈夫というわけではありません。マスク着用以外の基本的な対策も怠らず、人との接触を極力減らすことが重要だと思います。

詳細情報

厚労省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/
内容詳細 https://www.mhlw.go.jp/content/

編集後記

自分は大丈夫という過信は一切通用せず、誰もが感染の危険があるというのがこの新型コロナウイルスの怖いところです。まだ感染者数が少ない地域もありますが、誰もが自分事として捉え、自分にできる最大限の対策をしていくことが重要です。

4月23日の会見において、長期化する可能性にも言及されていました。人との接触が全体で減れば減るほど、少しでも早い収束につながると思いますので、個々人が意識を高めて取り組んでいきましょう。